年賀状
「寂しいお正月ですね」
その一言を読んだとき
おまえの年賀状をにぎりしめたまま
俺は暫く顔をあげることができなかった
人を欺き、己れをすら瞞しても
おまえの目はまっすぐ俺を見ている
そうか
やっぱり俺は寂しいのだな
S49.01.03 市ヶ尾寮にて