市ヶ尾のある朝
丹沢の山々は
こびりついた雪を拭おうともせず
朝の光を右の頬に受け
厳しいその顔に
深い陰影を刻んで
俺を見据えている
その後から
せいいっぱい背伸びして覗き込んでいる
のっぺら坊の富士の嶺の
なんと間の抜けて見えることよ
S49.01.24