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ステレオ


.2007.07.01

初めてステレオを買ってもらったのは五年生か六年生のときだったと思います。
でっかい木の箱にプレーヤもアンプもスピーカも入ったアンサンブル・タイプと呼ばれる形でした。
ピックアップはクリスタル型を少し丈夫にしたセラミック型で、アームとは一体になっていました。
演奏が終わるとアームが元には戻るほどではないが、針がレコード盤から浮き上がるところが先進機能とうたっておりました。

レコードはリーダーズ・ダイジェスト社が販売したベートーベンの交響曲全集しかありませんでした。
ステレオも何もないうちにレコードから先に買ったのです。
演奏はルネ・レイボビッツ指揮ロイヤル・フィルで、リ・ダ社の常としてずいぶん派手な宣伝コピーでした。
しかしその後そんな指揮者の名前はついぞ聞いたことがありません。

初めて自分で買ったレコードはなぜかハリー・ベラフォンテの「ダニー・ボーイ」でした。
アイルランド民謡「ロンドンデリーの歌」が好きだったので、おんなじようなものだと思って買ったのでしょう。
イメージが違ってがっかりしたんではなかったかな。
B面は「マチルダ」と言うカリプソ・ナンバーで、ベラフォンテが来日したときにもプログラムにとりあげていました。
レコードのように観客に歌わそうとしていましたが、日本じゃ誰も知らんよ、そんな歌。(^^;)

当時ドーナツ盤と呼ばれる45回転のシングルレコードの値段が裏表に一曲ずつ入って一枚330円。
33回転で両面に2曲ずつ入ったおんなじ外径のコンパクト盤が少し高くて350円ぐらいでした。
一ヶ月に一枚買うのがやっとでしたから、たぶん一ヶ月の小遣いがそのぐらいの金額だったんでしょう。

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自育不利人の たそがれ懐古録