直線上に配置

ボロ買い


.2005.08.29

橋本の散髪屋の親父さんが亡くなりました。今日が葬式でした。
その昔、散髪屋の二階は跡取りがラジオ少年達の元締めということで同好の子供の溜まり場でした。
暇さえあれば屑鉄屋を巡って使えそうな部品がないか探し、見つけると後生大事に溜め込む私たちを見て

「またボロ買いらっちゃ(達)、集まっとる。」

と親父さんに冷やかされたものです。

当時この辺では在日韓国人の故鉄屋さんを「ボロ買い」と蔑称していましたが、私たちはみんなそう言う人たちと仲良しでした。
無線機に使えそうな部品は多くが故鉄としては価値がないゴミでしたので持ち帰り自由でした。

あるとき巡回が一歩遅く、真空管を全部川に捨てたと聞いて、半泣きになって探しに行くと、幸い満ち潮で流れが逆流していました。
急いで家からタモを持ってきてぷかぷか浮いている真空管を掬い取り、大量に手に入れたことがあります。あの時はうれしかったなあ。

そう言う真空管はたいがいエミ減といって性能が落ちていて、ネオンみたいに派手に発光するものもありました。
しかし電波の強い地元のラジオ放送を聞くぐらいの用途には何とか使えないことはありませんでした。

そんな部品を使って作ったラジオで、デビューのころからのビートルズを聞いて育ったのでした。

直線上に配置


自育不利人の たそがれ懐古録