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金柑


.2005.02.20

うちの勝手口のそばに金柑が植わっています。
よっぽど土地と相性がよかったのか実をつけている間に次の花が咲き、何度も実を結んで一年中実がなっているという変わった金柑です。
ヒヨドリが金柑の実を好み、おそらくはつがいであろう二羽で年中見回りに来ていますが、特に餌の少ない冬はほとんどヒヨドリが食べ尽くしてしまいます。

ある時自分の口に入らないことに業を煮やしたおふくろは金柑の木に網をかぶせてしまいました。
とは言っても死んだ親父が大昔、ボラかウグイを取っていた網で、あちこち破れていますし、裾のほうは開いています。
しばらくは様子見をしていたヒヨドリはそのうちだんだんあつかましくなって網をくぐって中へ入って実を食べるようになりました。
人が通ったとき、うまく逃げてくれればなにも問題ないのです。
捕まえるつもりはないのですから。

二羽のうち一羽は特にあつかましくて人がそばまで来るまで食べていたあげく、泡食って逃げようとして網に引っ掛かります。
そのままでは死んでしまうので、心やさしい私は逃がしてやろうとするのですが、ヒヨドリは小鳥としてはかなり大型のほうなので指に噛み付くのです。
それがけっこう痛いのです。
自分が悪いくせに助けてやろうとしている恩人を睨みつけて噛むのです。
なかなか逃げずに意地汚く食べつづけ、あげく逃げ遅れて網に掛かって私にいつも噛みつくあいつはきっとメスに違いないと確信しています。


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自育不利人の たそがれ懐古録