家は本家の時代から正院の西光寺の檀家です。 特に祖父は傾きかけた西光寺を立て直したと先代の御院主はことあるごとに話しておりました。 その他に西光寺には祖父とその兄弟が寄贈したという西陣織の高価な七条袈裟があって、一族の葬式には特別に使用するするそうです。 しかし親父の葬式の際にはあいにく西陣へ修繕に出ており使えなかったのですが、どうせ私には区別ができません。 お寺には年会費のようなものがありまして、毎年いくらいくらお願いしますという案内があるのですが、私の家では親父が生きていた頃から本山上がりと呼ばれる東本願寺に行く上納金の分は払っていません。 おそらく檀家の中でそんなことをするへそ曲がりはうちだけだろうと思いますが、東本願寺で門主派と宗務総長派の内紛があったときからです。 双方言い分はあるでしょうが、どう言い繕ってみてもあれは単なる利権争いです。 あの時以来、親父も私も本山をまったく信用していません。 |