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.2004.02.13

あれはきっと隼だったと思います。

ぼんやり事務所の窓外を見ていました。
するとスズメが一羽、斜め上空から坪庭に落ちてきたように見えました。
と思うまもなく何者かがスズメの上に覆い被さったのです。
びっくりしてよく見ると目つきの鋭いくちばしの曲がった鳥が「なんか文句あるのか。」と言わんばかりこっちを睨んでいました。

身体つきは鳩ぐらいしかないくせしてずいぶんえらそうに突っ張っているな、と思わず笑ってしまいました。
しばし私を睨みつけたあとスズメをつかんで飛び立ちましたが、何を血迷ったかたまたま開けっぴろげだった工場の入口から中に入って行ってしまいました。

出る所はあったのかな、と心配になり吹抜けの二階にある原寸場に上がってみると案の定、出られなくて窓のところでじたばたしていました。
捕らえたはずのスズメは食べるどころではなかったのでしょう、すでに見当たりませんでした。
窓を開けてやると脱兎よりはるかに速くあっという間に大空へ姿を消したのでした。

ひょっとしたら珠洲で最初の発見だったかも。

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自育不利人の たそがれ懐古録