たぶん三年生の頃だと思うのですが、ジョージ・ハリソンにあこがれていたこともあって長髪に無精ひげでした。 学校へ行くときは学生服にズックぐらいでしたが、休日の格好といえば眼鏡にサングラスもどきを取り付け、服装は皮ジャン、ジーパンでした。 ジョージ・ハリソンがそんなかっこうするわけはありませんが、なにか雑誌のグラビアか何かで見たのでしょう。 足元だけはどうにも考えつかず、中学校ではやったことのある朴歯の高下駄を履くことにしました。 ところが歯の厚いの朴歯の高下駄が見つからず、やむなく足先に黒い雨カバーがかぶった男物の雨下駄にしました。 これは歯が薄い上にかっこつけてジャラジャラ引きずって歩くのですぐに減ってしまいます。 それで家に帰ってお手の物の平鋼のちょうどいい幅のものを切ってねじくぎで止めて蹄鉄としました。 すると減らないのはいいのですが、歯が重くなるのですぐに抜けてしまいます。 それならば、と抜けないようにエポキシ接着剤でしっかりくっつけました。 これで完璧か、と思われたのですが、なんと気がつかないうちに一枚だけ蹄鉄が外れて磨り減ってしまいました。 これでは格好が悪いので歯を取り替えようとしましたが、こんどはエポキシ接着剤が災いしてとてもじゃないが取れません。 けっきょくその雨下駄は使えなくなってしまいました。 2001年11月3日、昔、寮の風呂のボイラーをたいていた瀬川と言う人から、寮を取り壊すときに出てきたと言ってその下駄をドライブの途中に立ち寄り、届けてくれました。 瀬川さんにはずいぶん懐かしいものだったようでしたが、私にはどっちかいうとあんまりおもしろくない思い出です。 当然捨てたと思っていたあの高下駄、30数年どこに置いてあったのか、よく残っていたものです。 |
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捨てろっつーたのにまだ置いてあった。 こんなもの、いったいどーすんだ。 棺桶に入れられても困るんだけどな。 写真左の前歯だけ鉄板が外れて磨り減っている。 |